もしもタトゥーを入れるなら
サッカーワールドカップロシア大会、盛り上がりましたね!!
試合を観戦していると、海外のサッカー選手はかなりの割合でタトゥーを入れているなぁ、と感じました。
日本でも若い世代を中心に拡がりを見せているタトゥーですが、まだまだ抵抗を感じる人も多いかもしれません。
なぜ海外のサッカー選手にタトゥーを入れる人が多いのでしょうか??
そのことを理解するためには分化の違いを理解する必要があるようです。
まとめサイト風に始めました。本当はフォントを変えたりラインを引いたりすると良いんでしょうが面倒くさいので止めました。なんでサッカー選手がタトゥー入れてるかはまとめサイトに任せます。ほんとは興味ないですし。
で、タトゥーなんですがアリだなと思うことはあるんですよ。
スポーツ選手とかミュージシャンとか格闘家とか、いわゆるハレの舞台に出るひとがいれてるのってアリだなと。顔とかにペイントすることでそのハレ具合を盛り上げることってあると思うんですけど、タトゥーはさらに効果の強いやつになり得るなと。
幽遊白書でも言ってました。
使ってェェエ。
ただハレの日はいいと思うんですけど、ケの日はどうでしょう?そこが自分の中では引っかかるんですよね。
例えばスーパーなセレブ、アンジェリーナ・ジョリーの腕には"A prayer for the wild at heart kept in cages(内なる野生を出せず自由になれない人々への祈り)"というタトゥーが入っているらしいです。そんな不幸な人々のために祈るなんてさすがアンジー、ご立派。
もし憧れて同じタトゥーを入れたとすると、アンジーはしないだろうけど私はその祈りが込められた腕でお尻をボリボリ掻いたり虫刺されにムヒを塗ったりするんですよ。その腕に彫られた「内なる野生を出せず自由になれない人々への祈り」。
その落差に恥じ入らずにはいられない。
ダイレクトにメッセージが入っているタトゥーはもちろんデザインだけのタトゥーでも芯の部分には似たようなスピリットを感じるので、やっぱりこういうのは毎日がハレ(毎日がハレって矛盾してますが)の人にこそ相応しいのであって、1年のほとんどがケの私には似合わないんですね。
これからは街でタトゥーを入れてる人をみたら、あの人は毎日がお祭りなのだなぁ(またはそのつもりなのだなぁ)と思うことにします。全体的に湿気た文章ですが、それこそが非タトゥー民にふさわしい態度だと言えるのでしょう。
言えるのでしょうゥゥウ。
人生を変えた一つの映画
あなたは、人生を変えてしまうような映画に出会ったことはありますか?
こういうベタな書き出し、一度してみたかったのでしました。
今から4年ほど前のことです。奥さんと結婚する前、今日はふたりで映画を見に行こうということになりました。映画館について、
奥さん「何かみたいのある?」
私「ほとんど映画は見ないから割とどんなジャンルでも良いかな。何かいいのあるならそれでいいよ~。」
一人だったら巨大なモンスターが大暴れするやつか宇宙人の侵略に米軍が立ち向かうやつを見るのですが、デートということもあり一旦相手にボールを投げ返しました。
奥さん「じゃあ私、ドラえもん見たい。3Dのやつ。」
STAND BY ME ドラえもん。ほほう、そう来ましたか。
それが、同じドラえもんでも年1でやっているアニメ版とかプリキュアシリーズみたいに、完全な子供向け映画じゃないことは何となく知っていました。「かつて子どもだったすべての大人へ」みたいなキャッチコピーで宣伝してましたし。
でもそれはすべての大人じゃなくて、誤解を恐れずにいえばしょうもない軽薄な大人でしょ?ワールドカップの時だけサッカー好きになる、24時間テレビに涙する、ためしてガッテンで話題になった翌日にスーパーでバナナを買うために行列をつくるそういう大人でしょ?私を入れないでくれよ、きつい。
しかし一度「何でもいい」のボールを投げておいて、ドラえもんは違うというのは宜しくない。良いでしょう、今日のところは私が折れましょう。そういう諸々をすべて一瞬で飲み込み
私「いいよ~。じゃあドラえもん見に行こうか~。」
とふたりで映画を見たんです。
で、泣いたんです。ドラ泣きしたんですよ。映画自体は色んなところで散々言われてますが、原作の定番泣けるエピソードを繋げた「4番バッターだけ打線」みたいな映画でその意味では見る前の予想通りでした。
その予想通りの映画を見てドラ泣きする人としない人に分けると私は前者だったのです。世間様は泣くかもしれませんが私は違いますよというツラをして、ドラ泣きする人間を冷ややかに見てきたというのに。
泣く人は泣いていい、泣かない人ももちろんそれでいい。しかし泣く側の人間が泣かない人間の振りをして、さらに泣く人を軽薄な大人などどいってバカにしてはいけない。24時間テレビも見ないくせにバカにしてはいけない。私はもっと謙虚に生きねばならない。
そういう意味で私の人生はこの映画によって変えられたのです。本当はグリーンマイルとかフォレストガンプみたいな名作を言った方がカッコいい気がするけどその考えこそが奢りなのです(そもそも見てないし)。
というわけで、私の人生を変えた映画は「STAND BY ME ドラえもん」です!まいったか!!
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【メフィスト賞】QED 百人一首の呪
百人一首カルタのコレクターとして有名な、会社社長・真榊大陸が自宅で惨殺された。一枚の札を握りしめて……。関係者は皆アリバイがあり、事件は一見、不可能犯罪かと思われた。だが、博覧強記の薬剤師・桑原崇が百人一首に仕掛けられた謎を解いたとき、戦慄の真相が明らかに!?
第9回、メフィスト賞の受賞作です。百人一首を題材にしたミステリー、かと思いきやむしろメインは百人一首そのものの蘊蓄でした。
百人一首を個々の歌としてではなく全体を法則性のある歌織物として並べるという発想は先人によって提唱されたもののようですが、それに作者のアイデアを取り入れ改良したのが本書の骨子です。正直、先人の説との優劣をつけることはできないのですが(そもそも自分が無知なので)少なくとも作者の熱は感じますね。
ミステリーの方はあくまでも百人一首の自説を世に出すための手段といった感じでした。トリックはまぁなるほど、探偵役もワトソン役もまぁこれ位のキャラで、と百人一首の謎解きと比べるとあっさりめですね。
百人一首という共通項があるものの2つの謎はそれほど絡み合うわけでもなく、一つのごはんの上に牛肉と鰻を乗せてうな牛だ!!といって売り出しているようなものでした。
最後がすきやの悪口みたいになってしまいました。美味しいですよね、すきや。
【メフィスト賞】ダブ(エ)ストン街道
あの、すみません。ちょっと道をお尋ねしたいんですがダブ(エ)ストンって、どっちですか?実は恋人が迷い込んじゃって……。世界中の図書館で調べても、よく分からないんです。どうも謎の土地らしくて。彼女、ひどい夢遊病だから、早くなんとかしないと。え?この本に書いてある?!あ、申し遅れました、私、ケンといいます。後の詳しい事情は本を読んどいてください。それじゃ、サンキュ、グラッチェ、謝々。「今、行くよ、タニヤ!」
第8回の受賞作。最近はドロドロした重めの作品が続いていましたが本作はフワフワのユルユルです。
どこにあるのか、どうやっていくのか、そもそもほんとは何て名前の島なのか、そんな訳の分からないダブ(エ)ストン島を舞台に、主人公は恋人を、郵便配達人はポストを、駅伝ランナーたちはゴールを探している。
あらすじを聞かされても面白くもなんともないですが、実際に読み始めると独特な文体もあって一気に最後まで読めてしまいます。こういう起伏のないストーリーでも最後まで行けちゃうのは実は隠されたテクニックがあるんでしょうね。素人だから全然わかりませんが。
自分はこの本を移動中の新幹線で読みましたが家で読むより本の雰囲気とマッチして、その分プラス評価になっているのかも。まぁその出会いのタイミングも含めてよい本でした。オススメです。
【メフィスト賞】血塗られた神話
「悪魔」と恐れられた街金融の若き経営者・野田秋人。彼のまわりで、関係する人が次々と惨殺されていく。常軌を逸した連続猟奇殺人の目的とは!?「金」ほど人間の本性を剥き出しにし、争いごとを生む物はない。人の命など毛ほどの重さも持たぬ街金融の世界で修羅を生きる著者ならでは、超リアルな問題作。
第7回のメフィスト賞受賞作です。今回もネタバレします。
主人公はかつて悪魔と恐れられた闇金の社長。しかし過去に厳しい取り立てで顧客を自殺に追い込んでしまったことを今でも悔いており、それが原因で捨てた女にも未練がいっぱい、また部下の仕事ぶりに過去の自分を重ねて苦々しく思うなど、ただワルイだけではない人間味のある男です。
過去の苦々しい事件から5年後、新たな顧客が殺されその肉片が主人公の元に届けられたところから物語が始まります。最初の事件に続き主人公の周りで次々と事件が起こりどうやら犯人の標的は自分だと気づくのですが…。
キャラクター、アクション、意外な犯人、救いのないラストとデビュー作とは思えぬよくまとまった作品だと思います。逆に今までのメフィスト賞受賞作からすると正統派なハードボイルド小説で新鮮でした。
ただ、身内が悲惨な死を遂げたからといって人はフランス外人部隊に入るものか…。犯人のハクをつけるためとはいえ突拍子もない気がするけれど、もしかしたら自分が知らないだけで意外とあるのかしら。フランス外人部隊の話を読んでみたいなぁ。完全に蛇足でした。
あと第6回のメフィスト賞受賞作である「歪んだ創世記」ですが、Kindle版が出ていないので購入を見送っています。こういうのって作者側に権利があるのかな?賞まであげたんだから出しておくれよ、講談社。
草とアイドル飲酒問題
「草」と呼ばれる忍者をご存知でしょうか。
一般人を装って目的地に潜入すると平時は家庭を持つなどして完全に溶け込んだ生活し、ひとたび指令を受けると再び忍者としての任務に就くのです。
もちろん現代では忍者などいないんですが、それでもある場所では「草」は形を変えて残っています。その場所とはアイドル業界です。
例えば大手の芸能事務所、ここではJ事務所とします。G?D?Z?なんでもいいんでJにしますね。このJ事務所には多くの人気アイドルグループが在籍し、それぞれに熱狂的なファンがついています。
J事務所の中堅アイドルグループNにも沢山のファンがついていますが、実はその中には先輩のA、ほぼ同期のK、後輩のHなど色々なグループのファン組織から送り込まれた「草」が潜んでいるのです。
普段の彼らは普通の、何なら熱心なファンです。しかし己の本来所属するグループとNの間に抗争が起こると様々な妨害活動を行うのです。グループ内のゴシップを収集する、悪い噂を流すなどで終わる場合もありますが、いよいよ抗争が激しくなると直に相手方の本丸に攻撃を仕掛けます。
まず「草」の中でも見目麗しい女性が選ばれます。彼女らは様々なコネを利用し中堅グループNのメンバーが参加する宴にこっそり侵入するのです。ここで大切なのは彼女らが未成年だということです。
あとは宴の様子を隠し撮りし「未成年が同席する場で飲酒している(ついでに先輩グループの悪口を言っている)」動画を週刊誌にばらまくことによって、相手の本丸を大炎上させるのです。見事に役目を果たした草たちは本来所属するグループへと帰還し地位と名誉を手に入れるといわれています。
まさにアイドル戦国時代ですね。
全部ウソですよ。
【メフィスト賞】記憶の果て
父が自殺した。突然の死を受け入れられない受験生・安藤直樹は父の部屋にある真っ黒で不気味な形のパソコンを立ち上げる。ディスプレイ上で裕子と名乗る女性と次第に心を通わせるようになる安藤。プログラムにしかすぎないはずの裕子の記憶が紐解かれ、浮上する謎。徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第5回メフィスト賞に輝くデビュー作。
第5回のメフィスト賞受賞作。高校卒業後の18歳男子が、パソコン上で「裕子」と名乗る女性と出会い、次第にひかれていく。彼女はいったい何者なのか?
終始一人称で話が進み謎が解ければ解けるほど、主人公の世界も人間関係も壊れていく。一方で主人公は自分と直接関係ない、確かめようのない謎についてはさして興味もなく謎のまま放置される。
人工知能、裕子誕生の謎、鬱々とする主人公と複数軸で話が構成されているものの、そのどれもがスッキリしないまま終わってしまい、なんかもうちょっと無いのかよ、といったモヤモヤが残りました。でもこれも青春といえば青春なのでしょう、ひたすら暗いというだけで。
しかし「徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する」??どゆこと??
話のテンション、作者の意図ともに自分にはクリーンヒットとはいきませんでした。不完全燃焼読書です…、残念。
あと全く個人的な気づきですが、自分はリストカットがメチャクチャ生理的に受け付けないということを再発見しました。別に残酷描写がダメなわけではなく、首が飛んでも頭が割れても腹が裂けても全然大丈夫なのですが、リストカットだけは全然だめ。気持ち悪くなって物語に没入できなくなります。これなんなんでしょうね?