【メフィスト賞】すべてがFになる

14歳のとき両親殺害の罪に問われ、外界との交流を拒んで孤島の研究施設に閉じこもった天才工学博士、真賀田四季。教え子の西之園萌絵とともに、島を尋ねたN大学工学部助教授、犀川創平は1週間、外部との交信を断っていた博士の部屋に入ろうとした。その瞬間、進み出てきたのはウェディングドレスを着た女の死体。そして、部屋に残されていたコンピュータのディスプレイに記されていたのは「すべてがFになる」という意味不明の言葉だった。」 ~講談社BOOK倶楽部より~

 

第1回メフィスト賞の受賞作、というより森博嗣をデビューさせるにあたって作られた賞がメフィスト賞で、それ以降公募の賞になったみたいですね。

20年以上までに発表された作品ですが、当時まだ馴染みのなかったプログラミングやVR技術がトリックの中心に据えられていて「理系ミステリ」という新たなジャンルを確立した作品です。

ミステリーというのはトリックとキャラクターの2本柱でできていると思うのですがこの作品は両方とも素晴らしい。まずはトリックが面白い。これが天才の考えたトリックか!!天才とは先を見通し、こんなにも人を自在に操るのか!!と感動してしまいました。

またキャラクターも魅力的ですね。犀川先生は作者自身を反映したキャラクターになっているのか?萌絵とのコンビも面白いし、この2人が出てくる次の作品もぜひ読んでみたいです。

余談ですが、森先生は名古屋の有名私立の東海高校の出身だそうです。東海高校出身の人と一緒に働くことがありましたが、みなさん頭がよくて変わり者でした。何となく分かるわー。

第1回目の受賞作からかなりのハイレベルだったメフィスト賞、次は問題作と評判の「コズミック 世紀末探偵神話」を読んでみたいと思います。

 

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M (講談社文庫)

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