【メフィスト賞】六枚のとんかつ
「空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第3回メフィスト賞受賞作がついに登場! 新作『五枚のとんかつ』も併録。またノベルス版ではあまりに下品だという理由でカットされた『オナニー連盟』もあえて収録した、お得なディレクターズ・カット版。トリックがバレないように、必ず順番にお読みください。」 ~講談社BOOK倶楽部より~
第3回のメフィスト賞受賞作です。この本に関してはバカミス(バカバカしいミステリー)と紹介されていたので、こちらも初めからそのつもりで読みました。
結論から言うと、バカバカしさもミステリーもそこまでか?という感じでした。第2回受賞作の「コズミック」もバカバカしさという意味では似た作品かもしれませんが、あっちがバカバカしさの全力投球、最初から最後まで渾身のストレート!!だったのに対し、こったはダジャレやらベタやら「まぁまぁ、バカミスですから…」ぐらいのスローボールが続く感じとでもいいますか。
バカ話は大好きなのですが、「空前絶後」の「アホバカトリック」というハードルが高すぎたのかそんなに笑える話でもないな、という感想です(しかしこのキャッチコピー、メチャクチャ高いハードルですね)。あとは構成自体に仕掛けがあるのか、と思って最後まで読みましたがそれも不発だったのが肩すかしになってしまったかな?
あとがきで
「この作品のノベルス版が出たとき、バカだ、ゴミだ、だれにでも書ける、商品としてのレベルに達していないなどと、たくさんのご批判を頂戴した。
当時は、そういうことを言った人たちに対して殺意を抱いたものだが、四年ぶりに読み返してみると、たしかにこれはゴミだった。」
と書いていますが、今ならもっと振り切ったバカもゴミもあるんじゃないかな。当時は振り切ってたのかな…。
あと「オナニー連盟」も別に下品じゃないですね。夜7時に流されたら困るけど10時なら全然大丈夫、ぐらいの内容じゃないでしょうか。こればかりは自分のものさしがおかしくなってないことを願うばかりですが。
何も褒めていない、別にこれくらい普通じゃない?というスカした文章になってしまいました。良くないなぁ。